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飛び地(渋々演劇論)

渋革まろんの「トマソン」活動・批評活動の記録。

ブックオフと孤独と/日記20170416

気分の沈んだ時は決まってブックオフに行く。適当にぶらつくと何冊かの本が目にとまる。二冊並ぶ「ホレーシォの孤独」を棚から出して、パラパラとめくる。俳句の論評のようで、死んだ歌人の孤独をおいかけている。 脱ゴーマニズム宣言。従軍慰安婦の、強制連…

@chaghatai_khan @fuzzkeyさんへのツイッター返信/ゲッコーパレードについて

@fuzzkey @chaghatai_khan 横から失礼します。思うに、ゲッコーパレードの『ハムレット』は生活の場である民家に「戯曲が棲む」というより、「家を劇場として使った」演劇だったよね、ということなのではと。告知されたコンセプトにミスリードがあったんじゃ…

なんとなく楽しい(ワイワイ)―新しい市民劇について/ゲッコーパレード『ハムレット』

ゲッコーパレード 本拠地公演 戯曲の棲む家vol.6『ハムレット』 2017年3月31日(金) 〜4月10日(月)旧加藤家住宅(〒335-0003 埼玉県蕨市南町2-8-2) 原作:W シェイクスピア引用訳 小田島雄志 松岡和子 木下順二 出演:渡辺恒 崎田ゆかり 河原舞演出:黒田瑞仁…

『わたし達の器官なき身体』インタビュー No.2

立本夏山(1982〜)―技術は何のため? 生きること・表現すること (聞き手:渋革まろん) 立本は動く、尋常じゃなく動く。まるで自らのカラダを痛めつけ自分自身の存在を受難しようとするかのように。両親が所属する劇団の稽古場に出入りもしていたという幼…

『わたし達の器官なき身体』インタビューNo.1

田村泰二郎(1948〜)―踊られる生、死と海、存在の謎 (聞き手:渋革まろん) 舞踏家とはどんな人達だろうか。田村のおどりを見ていると、幽玄という言葉が頭に浮かぶ。存在と非在のあいだを揺らめく花のように彼のカラダはふらりと現れる。それまで支配的だ…

『わたし達の器官なき身体』インタビュー No.0

おどられかたられるわたしたちの記憶―死・生活・風土・連なり― 『わたし達の器官なき身体』はアントナン・アルトー(1896-1948)が提示した「器官なき身体」をめぐって立本夏山と田村泰二郎のオトコフタリが〈おどりかたる〉作品です。「人間に器官なき身体を…

なぜ腹が立ったのか? ドキュメンタリー演劇の二重性/村川拓也『Fools speak while wise men listen』

東京公演2017年3月4日(土)〜3月5日(日)@早稲田小劇場どらま館 公演情報https://murakawa-theater.jimdo.com 高嶋慈『Fools speak while wise men listen』劇評https://murakawa-theater.jimdo.com/劇評/ 概要 村川拓也の新作『Fools speak while wise me…

C.T.T.vol.90 村川拓也+工藤修三『フジノハナ』

日時 2012年1月29日・30日会場 アトリエ劇研 ※このレビューは、『ツァイトゲーバー』の前身にあたる『フジノハナ』について書かれたものです。 加筆修正を加えています。(2016年3月5日) 世界=時間の不気味な位相 社会的な生き物としての人間は、何らかの有…

光へ/情熱のフラミンゴ「ピンクなパッション」

2017年3月3日(金)~5日(日)東京都 小金井アートスポット シャトー2F作・総合演出:島村和秀作・振付:服部未来作・映像:川本直人作・出演:島村和秀、服部未来、川本直人、秋場清之、 岡部ナノカ、坂口天志、後藤ひかり、稲垣和俊ゲスト:MARK、Y.I.M、…

不可解な他者へ向けて/悪い芝居『らぶドロッドロ人間』

上演データ 2010年5月19日〜24日@アートコンプレックス1928 演出 山崎彬出演四宮章吾 きたまり(KIKIKIKIKIKI) 吉川莉早 仲里玲央大川原瑞穂 西岡未央 植田順平 梅田眞千子 進野大輔 山崎彬ART COMPLEX 1928 Power Push Company 芝居を観よう。芝居を観よう…

等価空間の出現/ヌトミック『Saturday Balloon』

ヌトミック『Saturday Balloon』日程:2017年2月17日(金)〜19日(日)会場BankART Studio NYK 1F kawamata hall脚本・演出:額田大志出演:宇都有里紗、鈴木健太、平吹敦史、藤井祐希、藤倉めぐみ、深澤しほ ヌトミック — English ・・・・・・・・・・・・・…

現代演劇の罠/mooncuproof#6『ワタシタチにとって十分な時間について』

●日時1/13(金)~1/15(日)●会場十色庵東京都北区神谷2-48-16 カミヤホワイトハウス B1F●脚本・演出:萩谷 至史●キャスト:奥 綾香坂本 華江篠原 沙織田口 ともみ丹澤 美緒 〈宇宙〉に重ねる 萩谷至史脚本・演出『ワタシタチにとって十分な時間について』…

京都芸術センター『式典』/演出:三浦基

上演データ 2010年3月27日 京都芸術センター 講堂演出 三浦基 式次第 開式のことば作:門川大作(京都市長)出演:石田大 祝辞 作:黒川猛(べトナムからの笑い声) 出演:山崎彬(悪い芝居)作:柿沼昭徳(烏丸ストロークロック) 出演:田中遊(正直者の会…

「戦争戯曲集」三部作(2016年版)/私たちの外側へ《私》を運ぶ

〈戦争戯曲集・三部作〉第3部『大いなる平和』(2015年) 撮影/宮内勝佐藤信氏に聞く──〈戦争戯曲集・三部作〉8時間完全上演 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイスより 劇場創造アカデミー6期生修了上演エドワード・ボンド作『戦争戯曲集』三部…

どうでもいい他者のリアリティ/ttu『会議体』

ttu vol.7『会議体』岸井戯曲を上演する#6 場外編*TPAM2017フリンジ参加作品 作 岸井 ⼤輔構成/演出 ⼭⽥ 真実出演大木 実奈(noyR)大間知 賢哉瀧腰 教寛(重力/Note) ⽇程2017年2月11日(⼟)〜15日(⽔) 会場:artmania cafe gallery yokohama(〒231-0064…

ドクトペッパズ『うしのし』

日時: 2017年2月11日(土)~12(日) 場所: 東京都北区文化芸術活動拠点ココキタ3F ドクトペッパズスタジオ 大人の「ごっこ遊び」 ドクトペッパズ『うしのし』を見た。 ココキタは元小学校であった建物を改修した文化施設。ドクトペッパズも教室のような一室を…

ドリフトするマレビトたち/玉城企画『戎緑地』観劇スケッチ

2017年2月2日(木)~5日(日)東京都 アトリエ春風舎 作・演出:玉城大祐出演:岩井由紀子、中藤奨、永山由里恵、横田僚平 1、京都⇔東京は夜行バスで3,500円 のっけから自分の話をします。 僕はもともと京都に居て、その前は北海道に居てそれから京都に来…

演劇の問題の全て

誰の言葉であっても聞きたい。 あらゆる社会的な立場を超えて、聞きたい。 演劇は集まりを生むものであって、作品(出力された結果)を生むものではない。 演劇は「集まり」のあり方を構想することに全力を注ぐ。 それが「私の現れ」を強く強く、内包するも…

仕事と自事―私的なものからなる公共圏

緊急ミーティング「政治、いや芸術の話をしよう(関東編)」の記録 | BricolaQ より。 1.自事≠趣味 仕事と自事、とは僕が考えたわけではなくて脚本・演出家の中野成樹氏が提起したフレームワード。藤原ちから氏が企画した「緊急ミーティング「政治、いや芸…

「トマソンのマツリ」赤裸々稽古場レポート

2017年1月某日。 By 稲垣和俊 1月28・29日に仙台で上演する《トマソンのマツリ》の稽古レポート。 ************** 渋革 とりあえず最初にかなり前に出したインストラクションの中からなんかしよう。(ノートを見る)どれがいいかな。 稲垣 こ…

2016年を振り返る

2016年を振返ります。 1〜3月 働く。デッサンの勉強をする。 5月 tana+kari『孤独の光』/フライヤーなどデザイン・音響オペ 6月 『トマソンのマツリ(準備)』ーから研ダンスフェスに出品/演出 7月 『トマソンのマツリ(準備)』ーせんがわ劇場演劇コンク…

プリズマン『プリズマンの奇妙な冒険』/観劇スケッチ

2016年12月10日〜11日 @十色庵 プリズマンは宮尾昌宏、竹田茂生による演劇ユニットである。処女作はクライスト『地震の話』を原作にした『ハピネス・イン・ザ・トゥルース』。これを2014年に発表。続く15年には観客席が取り払われ、茶会記というアートスペ…

《公共性》は単に必要とされていないのでは? 250km圏内京都公演で思ったこと。

この冬、小嶋一郎・黒田真史による劇団「250km圏内」の京都公演『妻とともに』に同伴し、主にコンセプトブックの製作作業を担った。そのなかで、《公共》について、自分なりに腑に落ちることがあったので、書き留めておきたい。 ※ただし、小嶋一郎の唱える劇…

〈公共空間〉を仮設する―小嶋一郎/250km圏内

※小嶋一郎コンセプトブック「コミュニケーション原論〜あるいは剥き出しの劇場へ」(2016年発行)より転載します。 〈公共空間〉を仮設する Ⅰ 小嶋一郎は劇団250km圏内の演出家である。近畿大学演劇専攻に入学。西堂行人に師事した小嶋は、その過程の中でいわ…

非在の肯定/ヌトミック『ジュガドノッカペラテ』

ヌトミックを見てきました 劇場創造アカデミー6期修了(だと思う)の藤井さんが出ているということで、誘われて見に行きました。ヌトミックという団体について、僕は全く知りませんでしたが、東京藝術大学出身の額田さん(1992〜)という方が作ったユニット…

日々是善―調和と切断―

今日は、立本さんと伊原さんと真史さんと目的のない稽古の日だった。 もとは小嶋さんと立本さんと真史さんで月に一回開いていたのだけれど、小嶋さんがメンバー脱退し、新メンバーとして僕が加わった格好。 第一期がどんな感じでやっていたのかは知らないけ…

死体は生きているとしか言えないー250km圏内『妻とともに』稽古

さて、250km圏内である。その稽古場である。 かなり久しぶりの稽古場訪問。それにしても、250km圏内の稽古は大いに「謎」を含んだ魅力的な場だな、と思う。 今日は「テキストをほぐす」ウォーミングアップのあとで、通しのリハーサルが行われました。 あまり…

〈ひとつの机とふたつの椅子とシェイクスピア〉のレビュー

「ひとつの机とふたつの椅子とシェイクスピア」 日 :2016年10月21日(金)〜23日(日) 会場:座・高円寺1 「ひとつの机とふたつの椅子とシェイクスピア」を観劇した。座・高円寺という場において、こういう企画が成立していることに些かの興味を覚えたので、…

ホロロッカ『海に駆りゆく人々』

[上演台本・演出]塩田将也(ホロロッカ)[日時] 2016年9月30日(金)〜10月5日(水) [会場] 新宿眼科画廊 スペースO [あらすじ]小さな島の、小さな家。老婆と二人の娘が暮らしていた。 この家の男たちは一人一人海で死んでいったからもういない。 亡骸…

重力/Note「現代演劇のために考えている身体WS」に行った(3/21)

ワークショップについて 重力Noteが東京ではじめて開催する「現代演劇のために考えている身体WS」に参加してきた。 私たちが「共に生きる」ことをお題目ではなく、あたかも一つの社会実験のようにその場で具体的に構想していくようなワークショップで、現代…

250km圏内『Love&Peace2』について

思い出しながら、メモを残していきたい。■コンセプトと戦略今回の250km圏内のキャッチコピーは「観劇文化をつくる旅」。その名の通り、観劇を文化にすることを目標に掲げた活動だった。わけだけれども、これは確かに大切だけれど、あまりにも当たり前のこと…