飛び地(渋々演劇論)

渋革まろんの「トマソン」活動・批評活動の記録。

ドリフトするマレビトたち/玉城企画『戎緑地』観劇スケッチ

2017年2月2日(木)~5日(日)東京都 アトリエ春風舎 作・演出:玉城大祐出演:岩井由紀子、中藤奨、永山由里恵、横田僚平 1、京都⇔東京は夜行バスで3,500円 のっけから自分の話をします。 僕はもともと京都に居て、その前は北海道に居てそれから京都に来…

演劇の問題の全て

誰の言葉であっても聞きたい。 あらゆる社会的な立場を超えて、聞きたい。 演劇は集まりを生むものであって、作品(出力された結果)を生むものではない。 演劇は「集まり」のあり方を構想することに全力を注ぐ。 それが「私の現れ」を強く強く、内包するも…

仕事と自事―私的なものからなる公共圏

緊急ミーティング「政治、いや芸術の話をしよう(関東編)」の記録 | BricolaQ より。 1.自事≠趣味 仕事と自事、とは僕が考えたわけではなくて脚本・演出家の中野成樹氏が提起したフレームワード。藤原ちから氏が企画した「緊急ミーティング「政治、いや芸…

「トマソンのマツリ」赤裸々稽古場レポート

2017年1月某日。 By 稲垣和俊 1月28・29日に仙台で上演する《トマソンのマツリ》の稽古レポート。 ************** 渋革 とりあえず最初にかなり前に出したインストラクションの中からなんかしよう。(ノートを見る)どれがいいかな。 稲垣 こ…

2016年を振り返る

2016年を振返ります。 1〜3月 働く。デッサンの勉強をする。 5月 tana+kari『孤独の光』/フライヤーなどデザイン・音響オペ 6月 『トマソンのマツリ(準備)』ーから研ダンスフェスに出品/演出 7月 『トマソンのマツリ(準備)』ーせんがわ劇場演劇コンク…

プリズマン『プリズマンの奇妙な冒険』/観劇スケッチ

2016年12月10日〜11日 @十色庵 プリズマンは宮尾昌宏、竹田茂生による演劇ユニットである。処女作はクライスト『地震の話』を原作にした『ハピネス・イン・ザ・トゥルース』。これを2014年に発表。続く15年には観客席が取り払われ、茶会記というアートスペ…

《公共性》は単に必要とされていないのでは? 250km圏内京都公演で思ったこと。

この冬、小嶋一郎・黒田真史による劇団「250km圏内」の京都公演『妻とともに』に同伴し、主にコンセプトブックの製作作業を担った。そのなかで、《公共》について、自分なりに腑に落ちることがあったので、書き留めておきたい。 ※ただし、小嶋一郎の唱える劇…

〈公共空間〉を仮設する―小嶋一郎/250km圏内

※小嶋一郎コンセプトブック「コミュニケーション原論〜あるいは剥き出しの劇場へ」(2016年発行)より転載します。 〈公共空間〉を仮設する Ⅰ 小嶋一郎は劇団250km圏内の演出家である。近畿大学演劇専攻に入学。西堂行人に師事した小嶋は、その過程の中でいわ…

非在の肯定/ヌトミック『ジュガドノッカペラテ』

ヌトミックを見てきました 劇場創造アカデミー6期修了(だと思う)の藤井さんが出ているということで、誘われて見に行きました。ヌトミックという団体について、僕は全く知りませんでしたが、東京藝術大学出身の額田さん(1992〜)という方が作ったユニット…

日々是善―調和と切断―

今日は、立本さんと伊原さんと真史さんと目的のない稽古の日だった。 もとは小嶋さんと立本さんと真史さんで月に一回開いていたのだけれど、小嶋さんがメンバー脱退し、新メンバーとして僕が加わった格好。 第一期がどんな感じでやっていたのかは知らないけ…

死体は生きているとしか言えないー250km圏内『妻とともに』稽古

さて、250km圏内である。その稽古場である。 かなり久しぶりの稽古場訪問。それにしても、250km圏内の稽古は大いに「謎」を含んだ魅力的な場だな、と思う。 今日は「テキストをほぐす」ウォーミングアップのあとで、通しのリハーサルが行われました。 あまり…

〈ひとつの机とふたつの椅子とシェイクスピア〉のレビュー

「ひとつの机とふたつの椅子とシェイクスピア」 日 :2016年10月21日(金)〜23日(日) 会場:座・高円寺1 「ひとつの机とふたつの椅子とシェイクスピア」を観劇した。座・高円寺という場において、こういう企画が成立していることに些かの興味を覚えたので、…

ホロロッカ『海に駆りゆく人々』

[上演台本・演出]塩田将也(ホロロッカ)[日時] 2016年9月30日(金)〜10月5日(水) [会場] 新宿眼科画廊 スペースO [あらすじ]小さな島の、小さな家。老婆と二人の娘が暮らしていた。 この家の男たちは一人一人海で死んでいったからもういない。 亡骸…

重力/Note「現代演劇のために考えている身体WS」に行った(3/21)

ワークショップについて 重力Noteが東京ではじめて開催する「現代演劇のために考えている身体WS」に参加してきた。 私たちが「共に生きる」ことをお題目ではなく、あたかも一つの社会実験のようにその場で具体的に構想していくようなワークショップで、現代…

250km圏内『Love&Peace2』について

思い出しながら、メモを残していきたい。■コンセプトと戦略今回の250km圏内のキャッチコピーは「観劇文化をつくる旅」。その名の通り、観劇を文化にすることを目標に掲げた活動だった。わけだけれども、これは確かに大切だけれど、あまりにも当たり前のこと…