飛び地(渋々演劇論)

渋革まろんの「トマソン」活動・批評活動の記録。

2018-01-01から1年間の記事一覧

偶然と踊る、ダンシーな〈身ぶり〉、の祝祭について/五十嵐耕平・ダミアン・マニヴェル『泳ぎすぎた夜』

映画『泳ぎすぎた夜』オフィシャルサイト Ⅰ.〈子ども〉の世界へ 通学路を抜けて一面雪に覆われた小さな森の中に入る。深雪に足が埋もれるたびに残される足跡。自分の存在が確かにあったことにいくばくかの不思議を覚えて立ち止まり、次の瞬間にはまっさらな…

演劇がこんなに”普通”でいいのかしら?/岸井戯曲を上演する in Osaka #0

岸井戯曲を上演する in Osaka #0 12月27日(水) @阿倍野長屋(大阪) 1,普通の演劇 普通の演劇、という言葉で何を思い浮かべるだろう? 演劇関係者ではない一般人が観る演劇、あるいは誰にでも受け入れられるオーソドックスな演劇、または取り立てた特徴の…

係留地としての劇場/「演劇のデザイン」を書き留める

飛田ニケ+瀧腰教寛『「むなしさ」の実演販売』 「演劇のデザイン」日時:2018年4月28日(日)場所:北千住BUoY企画:村社裕太朗インスペクター:村社裕太朗・内野儀 sinbunka.com 係留地 ヨットで島巡りをしていて困るのが、船の係留場所探しだ。瀬戸内海は所…

Google Mapのエロティックな誘惑―関優花「うまく話せなくなる」

関優花個展「うまく話せなくなる」をrusu「ナオナカムラ」に見に行って、これは言葉にしなければならないと思い書かれるこの感想には特に結論はないが、彼女の作品の少しばかりの紹介になればと思う。 関優花 press release.pdf - Google ドライブ うまく話…

昔はよく雑記風に自分の内面を整理していたことを思い出した

「昔は情緒がとても不安定だった。感情のうねりに僕自身ついていくことができなかった。その感情はたまっていくばかりで、捨てる場所を見つけられずにいた」と昔の日記にあった。確かにそうかもしれない。というよりそうなのだろう。とにかく沸き起こる感情…

返答:評論文盗用疑惑について

追記(2018.4.6) はどの氏には直接謝罪をし、参考文献として氏のブログを追記することでご了承いただきました。氏のブログにも本ブログ記事を追記でご紹介頂いております。 ------------------ 批評再生塾第14回論文として投稿した「《私映画》の運命―黒沢清…

「わたしがいる。山がある。」―烏丸ストロークロック『まほろばの景』

公演データ 日時:2018年3月1日(木)〜4日(日)会場:東京芸術劇場 シアターイースト 作・演出:柳沼昭徳音楽 :中川裕貴出演:阪本麻紀 澤雅展 角谷明子 小菅紘史(第七劇場)小濱昭博(劇団 短距離男道ミサイル)松尾恵美 www.karasuma69.org 烏丸ストロ…

批評再生塾2017 渋革まろん論考まとめ

ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾(三期)にて執筆した論考をまとめました。 下読みコメントつき。リンクで論考に飛べます。 【10】でチェルフィッチュ、【16】で地点について論じていて、その二つがやはり核になっています。【8】・【9】は【10】で議論した〈…

「トマソンのマツリ」(2018.0120-21)終了しました。

「トマソンのマツリ」終了しました。ご来場いただいた皆様ありがとうございました。両日、満席となり、これは「トマソンのマツリ」はじまって以来の快挙です(笑。 トマソンを「マツル」という、非常に抽象的でふわふわした試みではありますが、実際に会場に…